赤い玉

楠山正雄

赤い玉書籍情報

底本:「日本の諸国物語」講談社学術文庫、講談社
   1983(昭和58)年4月10日第1刷発行
入力:鈴木厚司
校正:佳代子

赤い玉 10

楠山正雄

 この天日矛(あまのひぼこ)の八代(だい)めの孫(まご)に当(あ)たる人が、後(のち)に神功皇后(じんぐうこうごう)のお母君(ははぎみ)になった方(かた)です。それから垂仁天皇(すいにんてんのう)のおいいつけで、はるかな海(うみ)を渡(わた)って、常世(とこよ)の国(くに)までたちばなの実(み)を取(と)りに行った田道間守(たじまもり)は、天日矛(あまのひぼこ)には五代(だい)めの孫(まご)でした。
 また天日矛(あまのひぼこ)はこちらへ渡(わた)って来(く)るときに、りっぱな玉(たま)や鏡(かがみ)などのいろいろの宝(たから)を八品(やしな)持(も)っていましたが、この宝(たから)は、後(のち)に但馬国(たじまのくに)の出石(いずし)の大神(おおがみ)とまつられました。