赤い玉

楠山正雄

赤い玉書籍情報

底本:「日本の諸国物語」講談社学術文庫、講談社
   1983(昭和58)年4月10日第1刷発行
入力:鈴木厚司
校正:佳代子

赤い玉 8

楠山正雄

 王子(おうじ)がその玉(たま)をうちへ持(も)って帰(かえ)って、床(とこ)の間(ま)に飾(かざ)っておきますと、その晩(ばん)、赤(あか)い玉(たま)が急(きゅう)に一人(ひとり)の美(うつく)しい娘(むすめ)になりました。王子(おうじ)はその娘(むすめ)を自分(じぶん)のお嫁(よめ)にもらいました。
 そのお嫁(よめ)さんは、毎日(まいにち)いろいろとめずらしいごちそうをこしらえて、王子(おうじ)に食(た)べさせていました。そのうち王子(おうじ)はだんだんわがままをいうようになって、しまいにはお嫁(よめ)さんをひどくしかりとばしたりしました。